’63年にOEM大手 市光工業の補修品部門から分離独立し、株式会社エバーウィングとしてスタート。
フェンダーミラー、オイルフィルター、補修電球など補修市場からビジネスをスタートし、のちにカー用品店での一般向けビジネスを開始した。
5年後、株式会社エバエースに社名変更。
ワイパー、ラジエターキャップなど取り扱いアイテムを拡大。
’81年には、カー用品店チャネルで一般ユーザーを対象にした販売に進出。
最初のヒット商品はファミリアに装着できるドアミラー。
フェンダーミラーからドアミラーへの移行期にマッチして若者の流行になった。
このときドアミラーとともに装着されたランプの商品名だったPIAAが、’83年に正式な社名となった。
’81年、東京モーターショーに初出展。
ショーではいち早くコンパニオンを採用し、その後のトレンドを先取りした。
’81年にタスカエンジニアリング、横浜ゴム、三菱自動車工業の協力によるアドバンPIAAラリーチームとしてモータースポーツ(RACラリー※現WRC)に初参戦。
モータースポーツを製品テストの場と考え、レースの負荷に耐えられるランプを開発し三菱ランサーなどに装着。抜群の耐久性と明るさで勝利に貢献した。
モータースポーツへのサポートは、のちに’86年の中嶋悟氏とのパートナーシップ締結、’88年にF-1デビュー2年目の中嶋悟氏をパーソナルスポンサード、’89年チームロータスのF1スポンサードへと発展していった。
’83年には、キャリアブランド Terzo(テルッツォ)が登場。
最初の商品は強度が重要なウィンドサーフィン用システムキャリアだった。
ロゴマークはウィンドサーフィンのメッカ、ハワイ マウイ島のサンセットをイメージさせるレインボーカラー。
’84年に行われたロサンゼルスオリンピックでは、米国ウィンドサーフィンチームのオフィシャルカーキャリアとして採用された。
Terzoブランドは、ウィンドサーフィンのピーター・カブリナ、スキーのアルベルト・トンバなどトップアスリートと積極的なタイアップを行った。スポーツマーケティングの先駆的な例であった。
PIAAは’83年にファッション事業にも進出。
イタリアをイメージしたスポーツファッションの直営店を全国各地に展開した。
一号店は東京白金店だった。
’99年、拭くだけでフロントガラスをコーティングし、雨をはじくようにする撥水シリコンワイパーを世界で初めて発売した。
このころからフロントガラスに撥水剤が使われるようになったが、従来のワイパーとの相性が悪くひどいビビリが発生することから、ビビリを解消しかつ撥水もできる商品として発売した。
撥水ワイパーは、PIAAがNo.1のシェア(自社調べ)を持つ雪用ワイパーでも展開され、氷雪がウィンドウにこびり付くのを防ぐ効果を実現している。
’00年には背の高い車に装着しても機械式駐車場に入れやすいルーフボックス ローライダー、
同じくルーフボックスの高さを変えられる画期的なローライダーフレックスを発売。
RV人気で車高が高い車が増えていたことから人気に。
またTerzoは車載用温冷庫などキャリア以外のアウトドア用品にも進出。
近年では、’22年の新型コロナ禍以降アウトドアブーム復活の中、ルーフバスケットがSUVのドレスアップアイテムとしてトレンドに。
’03年ツインパワーオイルフィルター発売。
メンテナンス品として地味な存在になりがちなオイルフィルターだが、機能の向上のみならず製品デザインにも注力して高付加価値商品に。
同様の試みは後にエアコンフィルターでもおこなわれ、ビタミンCを放出するエアリーCや、
静電気で花粉などの微細な粉塵をキャッチするコンフォートなどが発売された。
’15年にはLEDヘッドバルブを発売。
この頃から高付加価値の交換用ヘッドライトバルブはハロゲン、HIDからLEDが主流に。
PIAAはその変化をリードした。
その他、面倒な取付作業を簡単にしたコントローラーレスモデルを普及させている。
近年では、従来からの商品カテゴリーに加え、快適や安全といったPIAAにとって新しい分野に取り組んでいる。
わさびの抗菌・防臭効果を活用して車内空間を快適に保つ商品『わさびDe快適空間』、冬季にヘッドライトに着雪して視認性が悪化することを防ぐ融雪ヒーターなどがそれだ。
モータースポーツへの積極的関与は継続され、WRC(世界ラリー選手権)に参戦するTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamなど多くのチームをライティング、ワイパー、オイルフィルター製品などでサポート、モータースポーツを通じた製品の品質向上とファンづくりは変わることのないPIAAの重要な取り組みとなっている。